2012/10/17

芸術と評論

芸術を愛する一族に生まれた。
曾祖父は詩人、父は小説家、母は詩や絵をかき
私たち3きょうだいは音楽が好きだった。
私と弟は同じ音楽が好きで
よく一緒にライヴハウスに出かけていた。
バンドのアンケートに書く名字が同じなので
夫婦と思われていたという笑い話もある。

ライヴの帰りに、あの曲はどうだとか
このバンドはどうだったとか話すのが常だった。
そのうちオネツだったバンドのお手伝いをするようになり
ファンクラブの会報にアルバムレビューや
ライヴレポを書くようになったおかげで
常に評論する見方で音楽を捉えるくせがついてしまった。
マニアックなバンドだったので
「どうよ?」と聞かれて答えられないと
「ツメが甘い!」と怒られたことも
私のマニアック街道に拍車をかけた。

芸術は評論なくして語れない。
あれ聴きました、これ観ました、
それで終わりってあり得ない。
でも世の中の人のたいていは
「聴いた」のではなく「聞いた」
「観た」のではなく「見た」なのだ。
評論なんて求めていないのだ。

芸術と評論を愛する一族は
エキセントリックでマニアック。
血気盛んでかなりしつこい。
だから苦労するのよホント。
(ご先祖様!どこから我が一族はこうなったのですか??)

それに乗ってこれない相手はこっちから願い下げだぜ。

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