やさしいひと

２月に別の部署に異動になった同僚が
ヘルプで久しぶりにこちらに来てくれた。
入社当時から２年ぐらいずっと同じ土曜出勤チームだったので
ランチしたり帰りに飲みに行ったり仲良くしてくれていた人だ。
ジャズやポップスが好きなのでCDを貸し借りもしていた。
年齢も部署内では一番近い（といっても結構下だけど）ので
経験値も近く、いろいろ説明する手間も省けるので助かる（笑）。

久しぶりにランチにさそって出かけた。
宮城出身である彼女の実家が気になっていたのだが
蔵（がある家なのね！）の壁が崩れたりしたけれど
家族も家も無事とのことで安心した。

震災後、仕事に対するモチベーションが下がってしまったこと、
どうやって納得して今の仕事を続けて行くかなど、
そして先日やらかしたミスについて聞いてもらったりしているうち
心がすーっと楽になって行くのが分かった。

ただ話を聞いてもらいたいだけなのに
正論を押し付けられたり、反対の立場の味方をされたり
精一杯の励ましのつもりかもしれないけど
「そんなこと言わないで」「悪いほうにとらないで」
って言われると、何か自分の発言を否定されてる気がしてしまい
ネガティヴなことを言葉に出しにくくなってしまう。

ところが彼女は一切を否定せず、ただ聞いてくれる。
そして「大丈夫だよ」「なんとかなるよ」と言ってくれる。
それだけでもう、単純な私は心が救われるのだ。

私、この人のここが好きだったんだ。

では私はどうか。
「でもさ」「それは分かるけど」と
相手のことを否定してはいないだろうか。
いい人のフリして相談に乗って
あとで別な人にグチったりしていないだろうか。

私も、誰かの心がすーっとなるような
やさしいひとになりたい。