私の今年最後のイベントは、ラストを飾るにふさわしいキリンジのライヴ!
「KIRINJI 10th Anniversary 〜 SPECIAL SHOWCASE FINAL」と題された10周年の集大成的スペシャルライヴ。
自由席のフロアに通されると前の席はすでに埋まっていたけれど、運良く1席だけ空いていた兄樹サイドに座ることができた。
チョコミント味のカクテル"グラスホッパー"を飲みながら開演を待つ。おいちい♪
そしてメンバー登場。うわ、兄樹、めっちゃ近い!昔広島&岡山まで追っかけ(?)して観に行った時よりも近いかも。
兄は黒いシャツに黒いパンツ。去年の野音以来だけど、しっかり引き締まってます!シャツは中に入れてます!(笑)厚い胸板を肉眼で確認。
弟は前が紺、袖とポケットとバックがタータンチェック(伊勢丹の紙袋を思い出した)のシャツとジーンズ。カワイイぞ。遠くてロゴが見えなかったけどフレッドペリーかな?
まずは「Music!!!!!!!」からスタート、続いて「冬のオルカ」「僕の心のありったけ」。
例のごとくゆるいMCをはさんで、先日の中野サンプラザで演奏しなかったという「タンデム・ラナウェイ」、そして「かどわかされて」といった超AORなナンバーを演奏。うわー、このロッポンギ、ビルボードライヴという場所にぴったりのアーバン極まりない曲!!
思えば私がAORやクロスオーヴァーに興味を持つようになったのはキリンジのおかげ。こういうサウンドをとっつきやすくポップに提供してきてくれたキリンジに感謝。
「かどわかされて」は曲が長くてベストアルバムに入れられなかったのだとか。「長いよね、高樹サイド」と弟に苦笑されつつ、1曲ぐらい泰行サイドに入れてもらおうと思ったけど、そっちも一杯だったので諦めたことを兄が告白。「でも曲数は一緒なんだよね」。うーん、それはどっちも長いってこと?(笑)
キーボードが2人だったのだけど(最近のキリンジでは2人が多い)鍵盤好きとしては見どころ・聞きどころが多いのもうれしい。左の扇谷研人さんのファンキーなエレピにシビレタ!右の中山努さんのミニムーグもカッコイイ!
左はエレピの上にノード・エレクトロ、右はオルガンの上にノード・リードという、私が弱いポイント“赤いキーボード”で挟まれてたもんだから、めっちゃ興奮しました!!
新曲の「星座を睫毛に引っかけて」ももちろんやってくれた。兄が幼い我が子に捧げたこの曲は、歌詞の一つ一つから親の愛情を感じとることができる。お父さんが作った曲を伯父さんが歌う。なんとも幸せな息子くんである。
私は子供がいないけれど、甥っ子や姪っ子たちを思いながらこの曲を聴くと涙が出てくる。
未来がいっぱいの彼ら。
あさっての傷。背中から生えている水平線。
伯母でさえこんなに泣けるのに、親だったらどんだけ泣けるのよ?って感じ。
そしてこの季節にピッタリな兄のソロ曲「冬来たりなば」をやってくれたのも嬉しかった。クリスマスの曲はあれどもお正月の曲なんてのはそうそうない。
“冬来たりなば”の続きである“春遠からじ”、つまり“つらいことがあっても必ず幸せが訪れる”というメッセージが込められている。この曲に励まされた2007年のお正月を思い出す。
ヤスの曲「フェイバリット」も良かった。「凍てつく朝の散歩道 卑猥な落書きでさえ染め上げる」の下りがとても好き。兄弟揃って詩人なのがいいよね。
さらに「クリスマスは過ぎちゃったからやらないかも?」と思っていた「千年紀末に降る雪は」にもニンマリ。多分ライヴで聴くのは初めてかも?
何度も言うようだけど、クリスマスの曲はあれどもサンタクロースの哀愁を歌った曲はそうそうない。
冬をテーマにした歌というと、どうもクリスマスだのスキーだのといった“えせハッピー”な曲が多くてうんざりなのだが、季節の心象風景を詩的に歌いあげている一方で、シニカルな視点で“えせハッピー”を斜に構えて見ている。こういう、捻ってあるところに私はグッときてしまう。
キリンジの歌詞には季節を感じるものが多いのが好きだ。
そしてこの曲を聴くと「東京」を感じる。
東京にいなかったらこんなライヴにも来られなかったかも。
東京に住んでいる幸せをひしひしと感じて、ちょっぴり涙が出た。
アンコールではバックのカーテンが開いて六本木の風景をバックに「エイリアンズ」を。
ホールでのライヴに比べたら時間は短いけれど、とても贅沢なひとときを過ごさせていただいた。
どうもありがとう、キリンジ様。
これからも素敵な曲で私たちを魅了してください!
12月28日 1st stage セットリスト
01. Music!!!!!!!
02. 冬のオルカ
03. 僕の心のありったけ
04. タンデム・ラナウェイ
05. かどわかされて
06. フェイバリット
07. 星座を睫毛に引っ掛けて
08. 冬来たりなば
09. もしもの時は
10. 銀砂子のピンボール
11. 千年紀末に降る雪は
(アンコール)
12. エイリアンズ