穏やかな天気だったので、近所に散歩に出かけた。
この町に住み始めたのは10年前、
その間、2回引っ越しをした。
最初に向かったのは二階建ての一軒家。
私が今まで住んだ中で一番好きな家だ。
庭があったので母が好き放題花を植えていたが
延びすぎたツルバラが雨どいに絡まって
大騒ぎして外したことを思い出す。
久しぶりに訪れた元我が家の庭に花はなく
小さな自転車がぽつんと置いてあるだけだった。
家の前で父が甥っ子たちと凧揚げをしたお正月。
その半年後に父はこの家で亡くなり
そのあと近くのマンションへと引っ越したが
2年後、そこで弟が亡くなった。
通勤電車の車窓からほんの一瞬
そのマンションの窓がチラッと見える。
あるとき毎日カーテンが閉まっているのが気になって
帰りに寄ってみたら、そこは空き部屋になっていた。
カーテンに見えたのは紙の覆いで
半年か1年ぐらいそのままだったが
つい先日変わっていたので確かめたくなったのだ。
私の部屋だった場所にはクーラーの室外機があり
そこには確かに住人の気配があった。
カーテンが閉まってて何が不安だったのか
室外機で何が安心したのか分からないが
とりあえず新しい住人の存在にホッとした。
あ、あの部屋は湿気がひどいからカビには要注意ね!
毎日歩いた道を通って駅へ。
あんまり変わってないけど、こんな狭かったっけ?
ひなびた僕らのシャンゼリゼ、だ。
大好きだったパン屋さんが更地になり
工事中の道路の位置がちょっとずれたり
変わらないようで変わっている。
家も人も変わっていく。
2 件のコメント:
今まで全国あちこち住んだけど、仕事等で近くを通った際など、確かに狭い・小さいって感覚あるよね。今年、数年振りに帰省した時もそんな感じがあったな。
今年の春からFBやってて、郷里の靴屋の巨ちゃんと連絡取ってます。
卒業後から全然会ってないけど、いつか久しぶりに会った瞬間から、「狭い・小さい」みたいな感覚無く、あの時代に戻れるといいな(^^
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=726308944063589&set=a.436401626387657.112274.205826159445206&type=1&theater
数年ぶりに帰った人でもそう思うのに、30年ぐらいご無沙汰の私は一体どんな風に感じるのでしょう。
こっちが実家になった者にとって帰る場所があるのは羨ましい限りです。
私はもう“帰る”じゃなくて“行く”感じだからね。
なおちゃん変わってないね!
いつか行く時があったら足に合う靴を買おうかな。
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