やってきて、仕事して、見込まれて、
そして横取りされた。
ブリーダーが名犬に育てようと仕込んでいた子犬を
金持ちのマダムに買われたような気持ち。
詩人が同棲していた彼女を
親友の文芸評論家に寝取られたような気持ち。
東京FCのサポーターが長友選手を
セリエAに取られたような気持ち。
わかんないけど、とにかく、悔しくて泣いた。
そばにいてほしいとか別れたくないとかいう
感傷的なことでは決してなく
組織の中での無力さと守りきれなかった自分に泣いた。
そうして、砂漠にできたオアシスは
あっけなく別な場所へと移っていった。
オアシスが移ったからといって、砂漠は枯れない。
枯らさないでいられる方法を、砂漠の住人が教わったから。
笑顔と、誠実。
それがあれば、きっと枯れない。
「砂漠が美しいのはどこかに井戸をかくしてるからだよ。」
さようなら。
そして、また会おね。
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