真夏、最高潮。
近所の雑木林でも朝から蝉の大合唱で、文字に書いたように正確に鳴く“ツクツクボーシ”に笑ってしまう。この場合、つい西川のりおを思い出してしまう可笑しさも含まれる。
通勤途中、空から蝉が落ちてた。
あまりにも劇的に私の目の前でバタリと倒れたものだから一瞬ひるんでしまったけれど、蝉の最期はまるで戦で果てた野武士のように潔かった。
仕事の定時が近付いて外を見ると、もう真っ暗。日に日に日没が早くなっていることに気付く。明るい時間に帰れなくなった今、「まだこんなに明るいなんて申し訳ない!」なんて言いながら飲みに出かけていた頃が遠い昔のように懐かしい。
いつもより若干早い帰り道、昼はミンミンゼミがメインだったけど、昼と夜の担当が違うらしく、夜はジジジジと鳴くアブラゼミが残り少ない夏を戦っている。
そうして鳴き終えた野武士の姿をあちこちで見かけた。
もしかしたら朝私が笑ったツクツクボーシも夜には死んでしまったかもしれない。
空にはまんまるお月様。
蚊取り線香をともし、ノスタルジックな夏の夜を過ごす。
夏ってやつは、どうも秋よりオセンチだ。
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