


温泉では母と一緒にお風呂に入り、背中の流しっこをした。
母の背中は、丸くて小さかった。
お風呂から上がって、母に、私の足の指を見せた。
「ねえ、この足、どこかで見たことない?」
「あ!パパとおんなじ!」
肝臓ガンとともに腎不全も併発していた父は、水分が代謝されず足がパンパンに腫れあがっていた。ベッドに横になる時に手を貸すと、とにかく足が重くて上げるのが大変だった。
父が亡くなった翌日、あんなに腫れていた足がみるみるしぼんで普通の状態に戻った。
良かったね、足、元に戻ったね、なんて言いながら、この足の形にとても見覚えがあるのに驚いた。
私の足とそっくり!
甲が薄く、指が長くてすき間があり、きれいに斜めになっている。
父の足の指なんてちゃんと見たことないし、最後は晴れ上がっていたので気付くことすらできなかったけど、父の遺伝子を確実に受け継いでいることを、父の死後に実感した。
そしてお風呂から上がった母と私の顔を見て、頬のたるみが似てきたなぁ〜、ヤだなぁ〜と思ったのだった(笑)。
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