2014/08/24

わたしのミュージックポートレイト<前編>

NHKのEテレで「ミュージックポートレイト」という好きな番組がある。
ミュージシャンや役者さんなどの著名人が
人生の転機に聴いた音楽を10曲紹介するというもの。
私も考えてみたら面白いポートレイトができたので
ここに書き連ねてみる。

1曲目<初めて夢中になった音楽>
原田真二/てぃーんずぶるーす
中学生のときのこと。ある日テレビを見ていたら、くるくる巻き毛のとっても可愛らしい男の子がピアノを弾きながら歌っていた。ハートに矢が刺さった。一目惚れだった。
子供のころからヒデキとか百恵ちゃんとかアイドルに興味がなかった私だったが、ついに私にもキャーキャー騒ぎたくなるアイドルが登場したのだ。
初めて自分でお金を出して買ったLPが彼のファーストアルバムだった。今聴いてもこのクオリティの高い音楽を18歳そこそこの少年が作ったのかと思うと驚かされる。

B000VC0A2AFeel Happy 2007~Debut 30th Anniversary~
原田真二

by G-Tools


2曲目<自分を形成した音楽>
矢野顕子/在広東少年
高校に入って出会ったのがYMO。隣の部室から毎日毎日流れてきた音楽を聴かされ、半ばマインドコントロール的な状況で気がつけば好きになっていた。
衛星中継されたワールドツアーをテレビで見ていてYMOよりもクギヅケになったのが、うしろでぴょんぴょん飛び跳ねながらキーボードを弾く女性。彼女のヴォーカルによる曲は「この人フツーじゃない!気が狂ってるんじゃないのか?」と思わずにはいられないほど異彩を放っていた。
こういう“ヘンな音楽”に興味が湧き、音楽に限らず“フツーじゃないもの”を好むようになったのはこの時からだった。

B00005FDYXごはんができたよ
矢野顕子 

by G-Tools


3曲目<青春の葛藤>
THE WHO/THE REAL ME
YMOに憧れて北海道から上京し専門学校に入るも、就職活動に乗り遅れ悶々とした日々を過ごした。完全に肩書きのない状況になった私の唯一の心の支えが、THE POLICEの音楽だった。スティングが出ているという理由だけで観に行った映画「さらば青春の光」で、その音楽とファッションに心を奪われた。
それまで時代も分からず好きだった古い音楽が、1960年代というピンポイントだったことを知る。
あの頃の悶々とした自分の映し鏡のような映画。

B00FFDHM08さらば青春の光 オリジナル・サウンドトラック
ザ・フー

by G-Tools


4曲目<第二の青春>
THE COLLECTORS/僕はコレクター
「さらば青春の光」をきっかけにモッズカルチャーに夢中になった私は、東京でモッズのイベントがあることを知り出かけて行った。そこで登場したユニオンジャックのジャケットに身を包みポップな曲を歌うバンドに心を奪われた。カッコイイ!
このバンドのライヴに行くための服を古着屋さんで調達したり、薄給なのにVESPAを買っちゃったりとかなり入れ込んでしまったが(笑)ホントに楽しかったな〜あの頃…。

B001BPPAEY僕はコレクター(紙ジャケット仕様)
THE COLLECTORS

 by G-Tools


5曲目<突然、ブラジル>
Sergio Mendes/Mais que Nada
'60年代の音楽つながりで聴き始めたのがセルジオ・メンデス。欧米の音楽とは明らかに違う言葉とメロディが私の心をつかみ、以来ブラジル音楽への興味を深めていくこととなる。気がつけばロックよりブラジル音楽のCDのほうが多くなっていた。

B000007243マシュ・ケ・ナダ
セルジオ・メンデス&ブラジル’66 by G-Tools

2014/08/18

新生KIRINJIの新譜『11』は大傑作! 後半

よろしければ前半からお読みください。

6. シーサイド・シークェンス~人喰いマーメイドとの死闘篇
「雲呑ガール」を上回る、なんじゃこのタイトルは!?
もともと「シーサイド・シークェンス」という曲があり
プレスリー風のヴォーカルになんともいえぬ違和感を感じたのだが
その後「都市鉱山」などの“違和感系”のヴォーカルに慣れさせられたため、こういうヘンな曲が受け入れられるようになった。
ただのプレスリーじゃなくて
「西田敏行がマネしてるプレスリー」だそう〜です〜。

7. 狐の嫁入り
インスト曲。気持ち良くて通勤列車で聴いてると必ずウトウトしてしまう。

8. 虹を創ろう
珍しくストレートなポップソング。
NHKの「ソングライターズ」に出た時にも
「受け手が理解できないような歌詞は書かないようになった」
みたいなことを言っていたけど
こういう素直な言葉の歌があるから
奇抜な歌とのバランスが取れているのかも。

9. ジャメヴ デジャヴ
シリアスな曲。
このアルバムで感じたのが
高樹のヴォーカルが格段に上手くなっていること!
もともとヴォーカリストではないので“味”重視だったけど
味というくくりがなくても魅力のあるヴォーカルに仕上がっている。
これはライヴが楽しみだ!

10. クリスマスソングを何か
弓木ちゃんとコトリンゴさんのヴォーカルが楽しめるキュートな曲。
弓木ちゃんの透き通るような声と
コトリンゴさんのウィスパーヴォイスの調和がミラクル。
「主は来ませり」ぐらいでしか聞いたことがない
“ませり”で韻を踏んでるところがナイス。

11. 心晴れ晴れ
ああ、まさにこのタイトルの通り
心が晴れ晴れとするような、自由を謳歌する曲。
メロディもアレンジも何の奇もてらわない、ポップスの王道。
最近「自由に生きること」について考えていた私にとって
この「心晴れ晴れ」と「進水式」は
2014年のテーマソングになりそうだ。


ヤスくん脱退が決まった後のアルバム2枚については
どうにもこうにも楽しい気分で聴ける状態ではなかった。
おそらく「辞めると決まっている人のヴォーカル」が
心に入って来なかったのだと思う。

キリンジという名前を継承しようと決めた以上
相当な覚悟と意地があったと思う。
その思いが見事にアルバムに表現されている。
いろんな産地のいろんな素材を使った
極上のフルコース・ディナーをいただいているような、
そしてそれを毎日食べたいと思わせてくれるような…。
どの曲も繰り返し聞きたくなるから
私の頭の中には常に違う曲がぐるぐる回っている。
キリンジのファンになって以来、
こんなことは初めてかもしれない。

とにかくもう一回声を大にして言いたい。
これは大傑作だ!!

2014/08/16

新生KIRINJIの新譜『11』は大傑作!

まず先に謝っておきたいのは
この新譜の発売日を忘れていたこと。ゴメン。ほんとにゴメン。
去年の年末に観た新生KIRINJIライヴでは期待と不安が半々で
おまけに先日観たヤスくんのライヴがとても良かったものだから
私の中で不安のほうが増大してしまったのだ。
というわけで1週間遅れてやっと拝聴したのだが
私はここでまた謝る。ゴメン。ほんとにゴメン。
こんな大傑作を1週間も放ったらかしにしてて!!

1. 進水式
年末のライヴで最も期待が高まった1曲。
新しい船がこれから大海原に出て行こうとする門出を歌っており
新生KIRINJIからのメッセージそのもの。
メロディやサウンドもザ・キリンジともいうべき王道の展開で
兄弟時代からのテイストを壊すことなく継承されていており
さらに6人組のバンドサウンドの厚みが出ていて
1曲目から胸のすくような思いにさせてくれる素晴らしい曲。



2. だれかさんとだれかさんが
放課後の理科室、ビーカーでコーヒーを入れている
だれかさんとだれかさんが恋に落ちそうなストーリー。
なんてあまずっぱいの!
今まで大人の恋愛の歌が多かったキリンジだけに
この展開にはもう胸がキュンキュンしっぱなし。
エレクトロニックな味つけに男女コーラスの掛け合いが小気味良く
一番好きなのはやっぱり人体模型とせいくらべのくだり。
「だそう〜です〜」がたまらん!!

3. 雲呑ガール
高樹の曲の特徴は、まずタイトルで興味を引きつけるところ。
「柳のように揺れるネクタイの」だの
「温泉街のエトランジェ」だの
そして今度は「雲呑ガール」って。ワンタンですかあ???
花園神社で会って引っ掛けた女の子と
風林会館の前で集合しておごってあげる過払い金が戻った男。
アヤシイ。絶対アヤシイ。
風林会館、過払い金、よくぞこの単語を歌詞に!
※風林会館とは歌舞伎町のど真ん中にある、名前は知ってるけどおそらく普通の人は怪しくて入ったことのない商業ビルの名前
高樹のソロ「涙のマネーロンダリング」(このタイトルもまたすごい!)でハイエースのバックシート、ワンカップでパーティしてる男と同一人物に思えて仕方ない。

4. fugitive
夏フェスで「女逃亡者の歌」「福田和子」と噂になった曲。
ライヴではコトリンゴさんの声では歌詞が聞き取れなかったけど
歌詞を見て、ははあ、こうきましたか!
最近高樹の謎のシチュエーションを題材にした曲に
若干飽き気味だったのだが
それをコトリンゴさんのウィスパーボイスで歌われると
ギャップの面白さが際立っていてすごくイイ。
キリンジ名義の曲で女性が一人称の初めての曲だと思うが
女性メンバー加入でこのジャンルの可能性が広がった気がする。
あとはライヴでも聞き取れるようにPAさん頑張ってください!

5. ONNA DARAKE!
ライヴで聴いた安定感のあるヴォーカルを聴いて
彼がメインの曲があったらいいなと思っていた
ドラムの楠さんがヴォーカルの曲。
町に繰り出せばどこも女だらけで
男どもは何をしてるのか?という問題提起(?)の曲。
こちらも打ち込みがメインだけどライヴでの演奏が楽しみ!

あー、書くことありすぎて長くなりそうなので今日はここまで。
とにかく、これは大傑作だ!!

11(初回限定盤)(DVD付)11(初回限定盤)(DVD付)
KIRINJI

曲名リスト
1. 進水式
2. だれかさんとだれかさんが
3. 雲呑ガール
4. fugitive
5. ONNA DARAKE!
6. シーサイド・シークェンス ~人喰いマーメイドとの死闘篇
7. 狐の嫁入り
8. 虹を創ろう
9. ジャメヴ デジャヴ
10. クリスマスソングを何か
11. 心晴れ晴れ

1. 進水式
2. fugitive
3. シーサイド・シークェンス
4. クリスマスソングを何か

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

2014/08/15

ものものしー

職場からすぐの交差点がすごいことになってる。 ありとあらゆる道に機動隊(警察官ではない!)が配備され、 例の神社に向かう道には様々な活動団体、歩道にはバリケード…。 鼻歌歌いながらランチを買いに行ってる場合じゃなかった。

このあとやってきた街宣車は大通りを通れず迂回させられてた。その後ろからは覆面パトカーが。

ひとつ終わって静かになったと思ったらすぐに別な団体のデモが。デモ当事者よりそれを囲む機動隊の数のほうが多く、機動隊のデモかと思ってしまうほど。

1人1本旗を持った行列が延々2〜300人。白地に赤い丸はシンプルでミニマムな究極のデザインだが、これが大量だと旗に意思が現れてしまうという不思議な状況を体験した。

異様としか表現しがたい光景と騒音は夕方5時過ぎまで続いた。
戦争で亡くなった方々は、こんなところで魂が休まるだろうか。
私だったらこんな騒然としたところには来たくない。

っていうか、静かに仕事させて(笑)。

2014/08/13

さすらいヒストリー

そもそも私がさすらいに共感したのは
ロジャー・ニコルズ&ポール・ウィリアムズの
「The Drifter」という曲を聴いた時から始まる。
ソフトでポップな曲にのせて歌われる歌詞は
足かせを外し自由を謳歌しようという希望に満ちている。

「まだ行ったことのない場所に行ってみたい
あの夕陽を浴びたい
私の中にはさすらい人が住んでいる 」。

さすらうってなんてステキなの!と思った私は
やってもいない架空のバンドで演奏するため
和訳の歌詞まで作ったぐらいだ。
ちなみにロジャニコよりもサンドパイパーズ版のほうがオススメ。

この大好きな曲を、当時の私の王子様
高野寛くんが日本語でカヴァーしたのだ。
うわー、なんてこと!絶対運命的なものがある!!
と思ったけど、さほど運命はからまず今に至る。

その後、私はキリンジと出会い
彼らを好きになる決定的な曲に出会った。
その曲のタイトルこそが「Drifter」。
あの「The Drifter」とはさすらいの方向性がちょっと違うが
この曲を聴いて泣いた。
どのセンテンスも胸を打つ言葉ばかりで
心の底から「この人について行こう!」と思った。
「Drifter」は兄の曲だが
実は弟のほうがさすらい率は高かった。
のちに私は
弟の数々のさすらいソングに共感し、勇気づけられ
そして私自身「さすらわねば」と思うこととなった。

思えば我が家のさすらい率もすごい。
父は 東京→青森→北海道→東京
妹は 北海道→東京→イタリア→京都→北海道→東京
弟は 北海道→東京→北海道→東京→横浜→京都→東京→(長いので省略)
ご先祖様も三重県に始まり、青森、北海道、鹿児島、栃木…と
かなりのさすらい一族だったらしい。

この末裔がさすらわずにいられるはずがない。

rakuten