10月30日(日)、
人見記念講堂以来のKIRINJIのソロライヴへ。
場所は品川のステラボール。1週間前に座席指定だと気づいて急遽予約したら
2階の見やすい席だったのでラッキー。
入り口でサイリウムのスティックを配っていて
今までのキリンジにはありえない状況に戸惑うも
何に使うのか分からないけど、とりあえず腕にはめて(笑)開演を待った 。
予定より少し遅れてのスタート。
アー写でおなじみ、白を基調としたナチュラルな衣装でメンバー登場。
メンバーが打つランダムな手拍子がいつしかひとつにまとまり
始まったのは新譜『NEO』から「fake it」。
この曲が1曲目って、渋いなあ。
あんまり聴いてなかった新譜だけど、よく聴くと
「できないなら できるふりしな できるようになるまで いつかできるさ」
という歌詞がなかなか深い。
自分もこういうハッタリかまして仕事してるところがあるので
ドキっとした。
「だれかさんとだれかさんが」は甘酸っぱし。
エンディングの5拍子アレンジがカッコいい!
弓木ちゃんはロングのプリーツスカートのキュートな姿と
「雲呑ガール」のエイドリアン・ブリューばりの男前ギターソロの
ギャップがたまらない。
「ONNA DARAKE!」でドラムを叩きながら歌う楠さんが
かわいすぎてたまらん!
こんなかわいい58歳、他に見たことない。
そして玄さん、ピアスなんかして何気にオシャレになってる!
サポートの矢野
博康さんと2人、シルバーグレイのおぐしがカッコいい。
平均年齢、いったい何歳よ…。
スクリーンが降りてきて「The Great Journey」が始まり
RHYMESTERが映像の中で共演。
最初聞いたときはゲストを迎えてのラップというのに度肝を抜かれ
ちょっと拒否反応が出てしまったが
そのあと聴き込むと、どんどんこの曲の格好良さにはまってしまった。
今回CDを買わずApple musicで聴いていたので歌詞がわからずにいたが
太古の昔から続く“遺伝子のバトンタッチ”を試すべく
“二人きりの実験室”に向かうも、どこも満室!という
壮大なスケールと目の付け所が本当にすごい。
そして滑るような速さのベースラインを手弾きするチガちゃんもすごい!
途中のアナウンサーっぽいナレーションは
ドラムの楠さんだったんだと知る。
そしてぬめっとしたヴォーカルが印象的な「失踪」は
ベースのチガちゃんの声だったのか!
CD買わないとこういうことが巻き起こる(笑) 。
「恋の気配」はコトリンゴさんの物憂げなヴォーカルが
今の季節にぴったり。
そして大好きな「日々是観光」。
メロディ、コード進行、変拍子、アレンジなど
いろんな箇所にブラジリダーヂを感じる。
ポルトガル語にしたらはまりそうだな〜。
いっそサンバにしても面白いかも…なんて
勝手な妄想が膨らむ。
続いてHarpers Bizarreのカヴァー「Witchi Tai To」。
むむ、やるな。
こんなヘンな曲カヴァーするのは彼らしかいない。
10年前にこの会場で聴いた高樹のソロ
「涙のマネーロンダリング」も懐かしかった。
玄さんはちょうど同じ右端で演奏していたそう。
そんな前からサポートメンバーだったとは。
気づかなくてスミマセン…。
ギターの弓木ちゃんがヴォーカルの
アイドルソングのようなキラキラしたポップチューン
「Mr.BOOGIEMAN」でやっとサイリウムの使い道が判明。
弓木ちゃんがハンドマイクでステージの前に出てきた!
アイドルの応援みたいに使ってね、ってことだったのだが
大人なお客さんは恥ずかしくてあんまり使ってなかった。
もっとちゃんとフリツケとか先導してくれないと!
ここがUNICORNとは違うところだなあ。
「絶対に晴れて欲しい日」も歌詞がユニーク。
“誰だよ 雨男”に笑ってしまう。
ノリのよいリズムでお客さんがサイリウムを振り回す姿は
まるで“湘南乃風”のライヴのようだった。
ここで再び「The Great Journey」が!
しかも高樹と玄さんのヴォーカル!!
RHYMESTERと違って何かの呪文みたいに聞こえる(笑)。
アンコールは旧キリンジ1stのインスト「P.D.M」。
これもブラジルっぽくてかなり好きな曲。
けだるい感じの木管のメロディを
弓木ちゃんのヴァイオリンと玄さんのペダル・スティールに替え
新しいイメージに生まれ変わった。
旧キリンジの曲が演奏されたのは24曲中たったの4曲。
聞く側も古い曲を「待ってました!」と期待するのではなく
もうすっかり新しいバンドとして楽しんでいる。
旧曲「温泉街のエトランジェ」もヴォーカルが次々入れ替わり
6人組だからこそできるユニークな味付けを施していたり
新しいことにチャレンジしているのがいいなと思った。
個人的には「黄金の舟」の楠さんのヴォーカルが大好きなので
またいつかやってほしいなあ。
『11』ではまだ“自分のバンド”だという自負があったけれど
『NEO』では“6人のバンド”だという気持ちの変化が現れている。
だからこそ『NEO』=新しい、というタイトルをつけたのだろう。
このアルバムこそが本当の新生KIRINJIの1枚目なのかもしれない。
私が最初この新譜をあまり受け入れられなかったのは
自分自身が新しい環境に向けて進んでいた最中で
それ以外の新しいものを受け入れる余裕がなかったから。
それが収まった今、やっと歌詞が耳に届き
今までと違うサウンドも違和感ではなく
新しい試みとして受け入れられるようになった。
その時の環境が印象に影響されるものなのだと実感した。
次は暖簾分けした大将のアルバムをじっくり聴いてみよう。
翌日、ニコニコ生放送のライヴ中継も観たのだが
後半は有料会員のみの視聴だそうで、途中で退室させられた…。
この時私が心の中で叫んだのはもちろん
「満室〜!」
<10月30日セットリスト>
01.fake it
02.今日も誰かの誕生日
03.だれかさんとだれかさんが
04.雲呑ガール
05.ONNA DARAKE!
06.The Great Journey feat.RHYMESTER
07.失踪
08.恋の気配
09.進水式
10.温泉街のエトランジェ
11.日々是観光
12.Witchi Tai To(Harpers Bizarreのカヴァー)
13.真夏のサーガ
14.水郷
15.涙のマネーロンダリング
16.Mr.BOOGIEMAN
17.あの子のバースデー
18.fugitive
19.Golden harvest
20.絶対に晴れて欲しい日
21.The Great Journey(キリンジのヴォーカル)
----------
22.P.D.M.
23.うちゅうひこうしのうた(坂本真綾のカヴァー)
24.ネンネコ
| ネオ(初回限定盤)(DVD付) KIRINJI
曲名リスト 1. The Great Journey feat.RHYMESTER 2. Mr.BOOGIEMAN 3. fake it 4. 恋の気配 5. 失踪 6. 日々是観光 7. ネンネコ 8. あの娘のバースデイ 9. 絶対に晴れて欲しい日 10. 真夏のサーガ
1. The Great Journey feat.RHYMESTER 2. ONNA DARAKE! 3. 真夏のサーガ 4. 進水式
Amazonで詳しく見る by G-Tools |