2009/10/25

還暦ロック

ちょっと前、NHKの深夜の再放送で矢沢永吉さんのドキュメンタリー番組を見た。
プレミアムモルツやブルーレイのCMでテレビではよくお目にかかっていたので、音楽活動も順調にこなしていると思っていたのだが、実はこの1年間音楽活動は休止していたそう。
休止した理由は、60歳を前に自分自身を見つめ直したかったから。
音楽以外に自分に何ができるのかを見つけたかった。
その結果、自分には音楽しかない。そして、それがごく限られた人間にしか与えられていないということを悟った。

あのYAZAWAですらこんな風に思い悩むことがあるんだ!と驚くとともに、「60歳」という壁が思った以上に大きいことを知らされる。
ロックンローラーとして常に第一線で活躍してきた人にとって、老いは最大の敵といえる。

数年前に観に行った矢沢さんのトリビュートライヴでご本人がステージに上がり、白いタンクトップの上からでもその素晴らしい6 packの腹筋を垣間見ることができた。老いとは無縁だと思っていたので、そんなかたでもやはり60歳の壁は強敵なのだなあと気付かされる。

しかし彼は「海の向こうにはミック・ジャガーみたいな現役のロッカーがいるが、日本にはまだいない。だったら俺が最初になってやろうと思った」そうだ。

ぐわー、かっこいい!!!

もうひとつ印象的だったこと。
若い頃はもっと売れてやろうとかいう欲が強かったけれど、50、60でそれをやっちゃうのは格好悪い。この歳になるとあんまりガツガツいかなくなった、というようなことを話していた。
おそらくそれは揺るぎない地位を獲得したからこそ言えることなのだと思うが、莫大な借金を抱えて数年で返すという苦労も味わってきたことを思うと、今やっと全てを悟り、心に平穏が訪れた時期なのではないかと思う。
年齢を重ねるととともに矢沢さんの人間味がどんどんあふれてきているのがうれしい。
娘さんとナチュラルに共演できるようになったのもすてきだ。

還暦でもロックを続けられるのは、かっこ良くありたいと思う本人の気持ちが一番大事なのではないかと思う。そのスピリットにみんなが惹き付けられ、ついていくのだ。

音楽の行く末に不安を感じて自ら命を絶ったトノバンさん。
悩みを抱えて一旦休んだ末に答えを出した矢沢さん。
どちらも同世代。
走り続けてきた人が休むのはとても必要なことだと思う。

満を持しての東京ドーム復活ライヴはめちゃくちゃかっこよくて、これを見逃した自分が悔やまれた。しかし12月に日本武道館で5 daysライヴが行われることを知り、ラッキーなことにチケットをゲット!!
A席なので「どんだけ真横やねん?」ってぐらい真横なのだが(笑)この空間にいられることを楽しもうと思う。

さーて、タオルを探しておかないとなっ!

B002COC9GUROCK'N'ROLL
矢沢永吉
GARURU RECORDS 2009-08-05

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